フランス人の子育て方針。幼児教育の考え方の秘密とは?

フランスは幼児教育の先進国として有名です。
日本の幼稚園にあたるのがフランスでは保育学校と呼ばれており、公立が主流で、なんと授業料は無料とされています。
保育学校では2歳から6歳までの子供の受け入れが可能で、3歳以上になると義務教育ではありませんが、在学率はほぼ100%と言われています。
日本では現代でも根強く3歳児神話(子供が3歳になるまでは、母親が側で子育てをしないと子供に悪影響を与えるという言い伝え)が信じられており、3歳までは自分の手元で子供を育てなければと考える母親が多いと言われていますが、フランスでは子供が3歳に満たないのに保育学校に通わせる親は40%を超えると言われています。
子供の人間性を養う教育方法を確立したフランスのセレスティン・フレネ
フランスの幼児教育者として有名なのがセレスティン・フレネです。
フレネは積極方式と呼ばれるスタイルで子供の人間性を養う教育方法を確立しました。
また、子供の好奇心から湧き出る行動力に着目し、子供達が積極的に学習に取り組めるよう工夫を行いました。
この積極方法が現代のフランスの教育に大きな影響を与えたと言われています。
フランスでは子供の成長のスピードが人それぞれ異なることが当然と考えられている
フランスでは小学校に入学する上で通学できる歳の基準を満たしていたとしても、審査があり入学できないケースがあります。
審査は、先生と受け答えができない、自分や友達の名前を覚えられない、等がそれにあたります。
そのため、同学年といっても、いろんな歳の学生がいるという点で日本と異なります。
フランスでは子供の成長のスピードが人それぞれ異なることが社会的に当然と考えられており、成長のスピードが違う子供を一緒に教育させようとしません。
成長のスピードが違う子供を一緒に教育させると、子供や教師の負荷が大きくなるため、入学の段階で1年留年したとしても、しっかりと学習する習慣を身につけた方が、子供自身のためになると考えられているからです。
フランスは出生率が上昇中
また、世界で出生率が低迷している国がほとんどなのに対し、フランスは出生率の上昇をみせており、国民が子育てをしたいと思わせる良い見本としても知られています。
フランスでは幼児教育をする上で子供が自分のペースで成長でき、子供の親や教師が無理なく育てられる環境が整っているということが大きな重要ポイントなのではないでしょうか。
近年の日本では、親が自分の子供より他の子供と比較し、少し成長が遅れただけで自分の子はおかしいのではないか?と感じてしまう人も多いようです。
不安が強い親は病院に通い、自分の子供の成長が遅いのは、発達障害なのではないか?と医師に相談するケースも増えていると言われています。
競争社会を背景に、現代の日本の子育ての環境は子育てをする母親にしわ寄せがあると言われています。
親が子供の成長スピードが遅く病院にかけこむほど不安になる背景として、子供の能力が母親の通信簿と世間の目から評され、ダメな母親と思われないようプレッシャーを感じているのかもしれません。
日本もフランスのように、子供の成長のペースはそれぞれ違うという事を社会的に認められる仕組みができれば、子供をはじめ子供の親や教師が楽しみながら子育てができるようになるのではないかと思います。